道徳武芸研究 練功法としての大小架と高低架(1)

 道徳武芸研究 練功法としての大小架と高低架(1)

中国武術には大架、小架や高架、低架といった区別がある。これにそれぞれ中架が加わる場合もあるが、こうした区別は各門派の特徴を説明する時に使われることがあると同時に、練功法として火候(運動量)の調節の方法として説かれることもある。太極拳で言えば武家やその系統に連なる孫家などは動作が小さく小架で姿勢は高いので高架とされる。一方で楊家は動作は大きく、低く練るので大架であり低架とされる。これらの中間あたりにあるのが呉家であるから、呉家は中架ということになる。しかし、こうした分類はあくまで相対的なものであるから、必ずしもそれに固定されるものではない。楊家も澄甫の系統は大架であるが、少侯は小架であり、同じ兄弟であっても違いがある。呉家も北京の古い時代には大架であるが、上海、香港と動きは次第に小さくなって行くので、上海は中架、香港は小架ということもできる。また伝承者によっても大きな動きであったり、小さな動きであったりするので、一概に大架、小架などと決めつけることはできない。


このブログの人気の投稿

道徳武芸研究 八卦拳の変化と蟷螂拳の分身八肘(8)

道徳武芸研究 改めての「合気」と「発勁」(6)

道徳武芸研究 八卦拳から合気道を考える〜単双換掌と表裏〜(4)