道徳武芸研究 武術とファンタジー〜植芝盛平、銃弾をかわす〜(6)
道徳武芸研究 武術とファンタジー〜植芝盛平、銃弾をかわす〜(6)
先に見たように、弾丸を避けるというのは真実ではないが、そこには学ぶべき教えが象徴的に組み込まれていた。それでは、かつてよく知られていた「五俵を担ぐ女性の写真」はどうであろうか。これは既に、近代になって外国人向けに作られた土産物用のフェイク写真であることが明らかになっている。超絶技工の粋を凝らした焼き物の眞葛焼などもそうであるが、近代の初めにはこうした特異なものが外貨の獲得のためにいろいろと制作されたようである。そうした中で「五俵を担ぐ」写真のような「おもしろ写真」も作成されたようである。他にも現在、河童や人魚のミイラとされるものも、この頃に作られたものが多い。ただ。こうした中には近世に涵養されていた日本人の優れたテクニックを見ることができる。他には根付けや自在置物なども超絶技法で作られていて、最近では美術館などで展覧会も開かれている。