道徳武芸研究 柔術から柔道へ〜変容したシステム〜(4)

 道徳武芸研究 柔術から柔道へ〜変容したシステム〜(4)

武術の競技化は日本では空手もそれに準じることとなった。また中国でも形の演武をベースに競技化がおおいに進められた。日本でも中国武術の競技化の流れは一時期、注目された。ただそれは広く受け入れらることはなかった。この競技化は大陸において大きく進められたのであるが、かつては競技化されていない台湾の中国武術は「武術」であり、大陸のそれは「スポーツ」である、とする見方もあった。その後、大陸との交流も盛んになると民間では、競技化とは無関係なところで本格的な武術が伝承されていることも知られるようになった。また中国では表演派と武術派の間に日本で見られるような古武道と現代武道といったようなシステム上の違いを見るような捉え方はないが、それは中国の武術の根本が「攻撃型」であるためであり、日本のような古武道(防御型)と現代武道(攻撃型)といった乖離が存していないからである。


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