道徳武芸研究 日本の鍛錬法を考える〜剣術、柔術、相撲〜(7)

 道徳武芸研究 日本の鍛錬法を考える〜剣術、柔術、相撲〜(7)

膝行で上体を振らない場合には、膝を用いて進む勢いを得なければならない。つまり刀を用いた「発勁」の鍛錬でも説明したのと同じ「膝」の使い方を膝行でも用いるわけである。こうした身体動作が日常的に行われていたことは草履や草鞋には靴のように「踵」がないことでも分かる。それは歩く時に「膝」を入れて勢いを得ていたので、体重が足の前の方に寄っていたからである。また上体を左右に振って動くと着物は着崩れをしやすい。神道などでは供物を両手で捧げたまま膝行をするが、こうした時は当然のことながら上体が振られてしまうと供物を落とすことになる。膝行の鍛錬はそれが一通りできるようになったら、両手で三方や盆のようなものを捧げ持って上半身がぶれないように練習すると良い。そして更にそれに習熟したなら刀を中段に構えて行う。そして最後は刀を振り下ろしながらの鍛錬とレベルを上げて行くと良かろう。


このブログの人気の投稿

道徳武芸研究 八卦拳の変化と蟷螂拳の分身八肘(8)

道徳武芸研究 改めての「合気」と「発勁」(6)

道徳武芸研究 八卦拳から合気道を考える〜単双換掌と表裏〜(4)