道徳武芸研究 日本の鍛錬法を考える〜剣術、柔術、相撲〜(6)

 道徳武芸研究 日本の鍛錬法を考える〜剣術、柔術、相撲〜(6)

江戸時代の半ば頃からは畳の生活が日常的になって来たとされている。そしてそれと同時に正座が生活の中に取り入れられて来る。それ以前は立膝や胡座(あぐら)が坐法として広く行われていた。そうした中で正座を用いた鍛錬法が柔術や剣術(居合)などで生み出されるようになった。そのひとつが膝行である。鍛錬としての膝行で重要なことは上体を振らないことである。上体を振って勢いを付けたのでは足腰の鍛錬にはならないし、体の軸もぶれてしまう。この上体を振らない歩き方は「なんぱ」とされる歩き方そのものであり、それを坐って行うのが膝行なのである。上体を振らないというのは上体に力を溜めるために他ならない。こうして左右どちらでも変化のできるように、そのまますぐに抜刀できるように体勢を準備しておくわけである。


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