宋常星『太上道徳経講義』(41ー11)
宋常星『太上道徳経講義』(41ー11)
まったき白きは汚れが目立つ。
全くの悪いところの無い人は、心が広くゆったりとしており、それは空にかかる名月のようで、一片の雲の掛かるのを見ることもない。他人と貴賤を争うこともないし、殊更に是非を言うこともない。自分を卑下してあえて出しゃばることもない。そうであるのを「まったき白きは汚れが目立つ」としている。
〈奥義伝開〉「完全であるほどほころびが見えやすい」という「格言」である。「道」は「白」に偏ることもないし「辱(けがれ)」に偏ることもないのは既に縷々述べているところである。中国人はこうした考え方を良しとしていて「易」でも最後を「未済(びせい)」としている。その前が「既済(きせい)」で、これで完結しているのであるが、あえて最後には完結していない卦を持って来ている。あらゆるものは変化を続けるという考えがここにはある。