道徳武芸研究 龍形八卦掌における換掌式と「三才式」(1)

 道徳武芸研究 龍形八卦掌における換掌式と「三才式」(1)

龍形八卦掌には換掌式が三つある。通常の八卦掌では換掌式は単換掌と双換掌の二つなのであるが、それに上下換掌が加えられている。一般的に上下換掌は指天打地と称されるもので、これは程派の八卦掌ではよく見られるが、指天打地を換掌式と見なす派は他には無いようである。本来、換掌式は八卦拳でも単換掌式と双子換掌式の二つだけで、共に入身の方法をいう。八極拳の劉雲樵は八卦掌の特色を「挿掌」にあるとしていたが、これは日本の武術で言うなら入身のことである。単換掌(式)では相手の構えを崩して、その隙に入身をする。双換掌(式)では始めのアクションで崩しが充分でなかった場合に、もう一方の手で更に崩しを仕掛けて隙を作ろうとする。因みに八卦拳では、こうした「原理」を言う場合には単換掌式のように「式」を付けて、実際の動作(掌)とは区別している。そうであるから単換掌式を用いる単換掌はいくつもの形があることになる。


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