道徳武芸研究 合気のカタチとしての柔道、五つの形(4)

 道徳武芸研究 合気のカタチとしての柔道、五つの形(4)

五の形は合気道でいうなら三本目の螺旋で巻き込む技は、タカミムスビ、カミムスビの「むすび」の働きを示すものと言える。二本目も同じく「むすび」を使っているが、これは勝速日つまり「引力」の働きが顕著である。このように五の形には合気道の根本的な動きが既に示されている。こうしたことの延長線上に五本目の間合いだけを使って触れないで倒す技も出て来ているわけである。こうした「技」は植芝盛平も明確には示していない(最晩年に一部演じていたようである)が、今日の「合気」ではよく見るようになった。嘉納治五郎はそうしたところまで「柔」の延長線上にあるものとして予想していたのである。柔道において五の形を実際の試合などに応用しようと考える人は居ないと思うが、こうした「合気」の技は柔道では西郷四郎の山嵐や三船久蔵の隅落(空気投)として実戦技法として考案がなされたこともあったが、今日ではそこに含まれている「合気」「柔」の技のあることは忘れられ、いずれも「名人技」として一般的に有効な技であると認められてはいないようである。


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