道徳武芸研究 八卦拳の変化と蟷螂拳の分身八肘(1)

 道徳武芸研究 八卦拳の変化と蟷螂拳の分身八肘(1)

八卦拳の変化の段階を示すものとして「定・活・変」があるが、これは拳そのものの深まりを言うものでもある。他には「明・暗・化」とする段階概念も功の深さのレベルを示すものとして一般に使われている。ただ後者は孫禄堂の『拳意述真』に見られるもので、もとは形意拳に由来しているようである。他に太極拳では「覚勁・トウ勁・神明」などの段階をいう。「勁」とは「武術的な力の使い方」の意であり、太極拳では太極拳独特の力の使い方に覚醒した段階を「覚勁」とする。次いでそれをより深く体得でき、より詳細、厳密に使うことができるのが「トウ勁(りっしんべんに董の字)」である。「トウ」には「分かる」という意味がある。そして最後は「神明」である。これは、動作と意識とが高度に統合されていること示すもので、完全なる心身の統一がなされた状態といえる。翻って言えば八卦拳の「変」は「神明」と同じで高度に心身が統一された状態でもあるわけである。つまり八卦拳における「変」は、心身の統合された状態で生み出されるものなのである。


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