道徳武芸研究 道芸と武芸を分けるもの〜腰帯から考える〜(2)

 道徳武芸研究 道芸と武芸を分けるもの〜腰帯から考える〜(2)

腰帯をきつく締めることで気血の流れを分断して、上半身の流れを下げさせないようにすることができる。そうすることで大きな力を出せるようになるとされる(いわゆる力んだ状態を作り出す)が、この時に呼吸も止めてしまうことがある。人は力んでいる時には呼吸を止める。反対にリラックスする時には「深呼吸をして」などとアドバイスされるように深い呼吸を行うことが重要となる。太極拳の拳訣には「綿綿不断」があるが、これは呼吸が穏やか(綿綿)で途切れることがない(不断)という教えで、そうなると結果として動きも柔らかなものとなる。こうして息と動きを一体として動きを柔らかで連環性を持ったものとして練って行けば、息も自ずから「綿綿不断」となる。こうした呼吸を意識して穏やかで途切れることがなく動こうとしたなら、それは自ずから太極拳的な動きとなるわけである。ただ秘訣としては呼吸そのものを意図的に行うことは好ましくないとされ、動きを練ることで自ずから息も適性な呼吸(真息)が得られるとされている。


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