道徳武芸研究 道芸と武芸を分けるもの〜腰帯から考える〜(1)

 道徳武芸研究 道芸と武芸を分けるもの〜腰帯から考える〜(1)

腰帯は本来は衣服を着るためのものであったが、現代中国武術では専ら体を締めるベルトとして使われる。これは腹部に圧力を加えることでより力を出そうとするもので、その典型は重量挙げなどに見ることができる。一般に中国武術では少林拳などでは腰帯で腹部を締めることを重視する。一方、太極拳などは体を締めることは気血を滞らせるものとして好ましくないと教えている。こうした傾向をここでは「武芸」と「道芸」として区別して論じようと考えている。例えば通臂拳のようなものでも、腰帯で体を締めて行えば「武芸」になるし、そうしたことをしなければ「道芸」としての鍛錬をすることができる。「武芸」としての鍛錬をするか、「道芸」として行うかは個人的な判断による。それはシステムと、どう関わるかということである。


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