道徳武芸研究 中国武術における誤解と迷信〜鉄砂掌と点穴〜(2)

 道徳武芸研究 中国武術における誤解と迷信〜鉄砂掌と点穴〜(2)

「鉄砂掌」とは思い切り人を打っても、自分がケガをしないだけの鍛錬をするものなのであるから、やたらに鉄や石などの固いものを打っても意味はない。八卦拳では緑豆という小さな豆を桶に入れてそれで鍛錬をする。あるいは砂袋というサンドバックのようなものが使われることもある。これらは人体に近い衝撃を作り出されるように工夫されている。こうし人体を打った時の衝撃に慣れておくわけである。しかし一方では鉄砂掌を「掌を固くする鍛錬」と誤解して、むやみに固い石などに手を打ち当てて鍛錬をしている人も居るがこれは武術としては意味がない。同じく排打功という体を打って鍛える功法も余りに強く打っても効果は限定的であることを知っておくべきであろう。人の体の耐性には限度がある。過度に行うとかえって自分の体にダメージを与えることになる。


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