道徳武芸研究 合気上げと呼吸力養成法〜大東流と合気道〜(1)

 道徳武芸研究 合気上げと呼吸力養成法〜大東流と合気道〜(1)

両手を取らせて、それを上げる鍛錬法を大東流では「合気上げ」、合気道では「呼吸(力養成)法」と呼んでいる。つまり、この鍛錬によって大東流では「合気」を養うとしており、合気道では「呼吸力」を得るものとされているわけである。かつて大東流の大名人のもとを、その弟子である大学教授から紹介された芸能関係者が訪れた。この頃、弟子の大学教授は、師を広く世に知らしめようと小説家や学者、マスコミ人、スポーツマンなど多くの人を「紹介」していた。かの芸能関係者もその一人で、その時には時代劇などでも知られた女優を伴っていた。この時、大名人は彼の女優に手を取らせて「合気」を掛けようとするが全く掛からなかったという。芸能関係者によると後にくだんの大学教授からは「先生に恥をかかせた!」と叱責の電話があったとか。叱責云々は余談であるが、合気道をやっていた女優は、呼吸法の時と同じく軽く腕を取ったために、大名人といえでも「合気」を掛けることはできなかったのである。


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