道徳武芸研究 合気道の実戦技法(1)

 道徳武芸研究 合気道の実戦技法(1)

合気道の実戦性を考える場合に重要なことは「関節技とは何か」という視点であろう。中国武術では関節技は擒拿と言われるが、この技法に関しては近現代では教門長拳の韓慶堂が有名であった。教門長拳はイスラム族の中で考案されたもので、実戦性に優れているとされる。それにはイスラム族が中国で大多数を占める漢族から常に抑圧を受けていたという背景があったようである。つまり漢族よりも更に厳しい環境に置かれていたイスラム族の間ではよりシビアに実戦性が追究されなければならなかったわけである。それはともかく韓慶堂は擒拿を紹介した著書に『警察応用技能』という名を付している。つまりそれは関節技=擒拿は本来は「警察」において用いられるものであり、拳術で使うのはその応用であるとする見方である。拳術では打ったり、蹴ったりして相手を制することができるので、あえて関節技を習得する必要はない。しかし警察のように相手を捕獲しなければならない立場であれば、関節技は必要不可欠なものとなる。


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