道徳武芸研究 大東流の「伝承」について(1)

 道徳武芸研究 大東流の「伝承」について(1)

現在、大東流の伝承について明らかであるのは、武田惣角が教えていたこと、その当初に西郷頼母が関係していたことなどがあげられる。かつては会津藩で教えられていたのではないか等といわれていたが現在ではそうした事実のなかったことは明らかとなっている。一方、頼母の養子で講道館でも活躍した西郷四郎もどうやら「御信用之手=合気」を会得していたらしく、その得意技・山嵐は「御信用之手」で心身の感覚が開かれていなかればとても使えるものではなかったようで、納治五郎も「その得意の技においては幾万(いくまん)の門下いまだ右に出(い)でたるものなし」と述べている。つまり山嵐は柔道技の延長線上にある「技」ではないということであり、結果として頼母からの「御信用之手」の教授を推測させることになる。しかし頼母は大東流の柔術は知らなかったようで、四郎にもそうした「痕跡」を見ることができない。


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