道徳武芸研究 形意拳の歩法と連環性(8)

 道徳武芸研究 形意拳の歩法と連環性(8)

これは中国武術に限ることではないが、中国文化には多分に「形式主義」的なところがある。何でも五行や陰陽、十干、十二支などに入れ込んでしまうことが多い。それは「真理のの普遍性」によるものとされ、五行をしてこの世のいろいろな事が説明できるのであれば、拳においても「五行」というフレームが有効であろうとするわけである。そこでなんとか形意拳でも五つの形をそろえようとしたのであるが、なかなか「横拳」が定まらなかったらしく、各派によって横拳にはかなりの違いを見ることができる。それはともかくこうした形式的なフレームにこだわる中国人なのであるが、実のところはそれには「意味がない」ということも知ってもいる。こうした文化的な背景をよく理解しておかないと大変な「迷路」に入り込むことになる。「真伝」とはどこが本道で、どこが枝道なのかを正しく説いた教えのことであり、それをよく理解している人が「真伝」を得ていると他から認められることになる。


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