道徳武芸研究 柔道、剣道と坐禅〜身体的な要求とシステム〜(16)

 道徳武芸研究 柔道、剣道と坐禅〜身体的な要求とシステム〜(16)

それでは実際のところ柔道、剣道、坐禅はどのようにひとつのものとして練習し得るのか。それは丸い動きとしての八卦掌、直線的な動きとしての形意拳、そして静かに動く太極拳として始めて可能となると考えられる。こうした三拳の融合の流れは中国でも近現代において始めて見ることのできる現象であった。武術史を知ることは人々が日々の実戦や稽古を通して得て来た成果を知ることであり、それは表面的な思考による理論を超えた心身の声の発露でもあった。自ずからそのような結論となる、そうした類のものであった。そのために一見して八卦掌、形意拳、太極拳と柔道、剣道、坐禅は関係ないようであっても、その根底には必然ともいうべきものが存していることが分かったわけである。



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