道徳武芸研究 柔道、剣道と坐禅〜身体的な要求とシステム〜(9)

 道徳武芸研究 柔道、剣道と坐禅〜身体的な要求とシステム〜(9)

少林拳が禅寺である少林寺から生まれたとされるように本来的に中国武術と静坐や坐禅といった「瞑想」は深い関係にあった。伝えるところではダルマは易筋経と洗髄経を教えたのであり、洗髄経は坐禅で、易筋経は導引とされる。そしてこの導引から少林拳が生まれたのである。この洗髄経の坐禅と、易筋経の導引の組み合わせはハタ・ヨーガにも見られる。瞑想法と体位法との組み合わせである。釈迦の時代の仏教では体位法が取り入れられることはなかったが、もしかしたらある時代にそうしたものが取り入れられてそれをダルマが伝えたのかもしれない。実際のところ白隠が坐禅だけを熱心に修行して心身の不調をきたしたように坐禅だけでは心と身のバランスを取りにくい場合が多い。今ではダルマが易筋経を伝えたとされる説はまったく荒唐無稽とされるがあながちそうとも言えない部分もあるかもしれない。


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