道徳武芸研究 合気道と点穴と〜ユーチューブ時代の危機と可能性〜(6)

 道徳武芸研究 合気道と点穴と〜ユーチューブ時代の危機と可能性〜(6)

こうした「脈」を使うことは、何も不可思議なものではなく、柔道でも、レスリングでも、固め技で相手を抑えた時に、同じように抑えていても、どうしても抜けることのできない抑え方のできる人と、どこかに緩さがあってすぐに抜けられてしまう抑え方しかできない人がいる。うまく抑えることができる人は「脈を按(おさ)えている」ということができるのである。呼吸力(合気上げ)は両手を通して相手の「霊体」から「肉体」をコントロールできる力のルート(脈)を知るための練習法とすることができるわけであるが、これはまた脈の一点を制することで相手をコントロースすることも可能となる。これが点穴である。塩田剛三は昔から足の親指で相手の足の甲を押して激痛を与える演武をよく披露していた。また晩年は指で軽く突いて相手を飛ばす妙技も見せている。これらは術に述べたことで明らかなように点穴であり、また按脈の極地なのであって、こうした力が呼吸法によって開かれる。合気道が真にめざすべきは「肉体」のレベルの関節技ではなく、より微細な身体である「霊体」を開くことに他ならない。


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