道徳武芸研究 松竹梅の剣と正勝棒術(2)

 道徳武芸研究 松竹梅の剣と正勝棒術(2)

また正勝棒術の「正勝」とは正勝吾勝々速日天忍穂耳(まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみ)の命に由来するもので、これは天照大神の玉を須佐之男の命が噛み砕いて、吹き出した息の中から生まれた神とされている。これを大本教的に解釈すれが、天照大神の玉は女性の神の持つ霊(たましい)であるから「瑞(みず)の霊(みたま)」であり、須佐之男の命の息もそこには霊的な働きがあるので、これを「厳(いず)の霊」と解することができる。この瑞の霊と厳の霊とがひとつになるのが、真の岩戸開きなのである。そうして見ると大本教の教えに基づく松竹梅の剣も真の岩戸開きを象徴するものであったし、日本神話による正勝棒術もそれを大本教的な視点からすればこれも岩戸開きとすることのできるものであることが分かる。また天照大神と須佐之男の命の神話では「玉」と「息」がひとつになって「神」が生まれるとあるが、これはまさに呼吸力の奥義そのものでもある。


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