道徳武芸研究 手印と静坐(7)

 道徳武芸研究 手印と静坐(7)

法界定印は親指の先を触れ合わせるだけであるので、ある種の不安定感がある。つまり法界定印はなかなか難しい印なのである。心身の状態がある程度、整っていないと指先に力が入ってしまい親指の先がせり上がってしまう。あまりに足の痛みを我慢したりしているとそうしたことになってしまう。この印は親指の先が軽く触れるくらいが適当とされているが、これを保つには親指と下の四指で作った空間に「気」が満ちていなければならない。一部には親指の先を触れないで向かい合わせるだけにする組み方もある。これはかなりリラックスできる方法であるが、この手印を得るには指先を触れる時以上に掌に充分な「気」の空間が保たれていなければならない。静坐の手印としては阿弥陀定印から法界定印へと至り、充分に気の充実を感じたら徐々に親指へのストレスを軽減してとらわらのない状態へと入るのが静坐としては好ましいと思われる。


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