「道徳武芸研究」に向けて(3)

 「道徳武芸研究」に向けて(3)

「道芸」は形意拳で重視されている概念で、これは「武芸」に対する語である。「武芸」が「武のためのテクニック(芸)」であるのに対して「道芸」は「道のためのテクニック」であり、その目的とするところは「道」の修練にあるのであって、「武」とは違っているとする。これを具体的にいうなら「武芸」は相手を倒す芸で、「道芸」は戦いを回避する芸と考えることができよう。こうした「道」の実践により「徳」が得られる。これが「道徳」である。一方、「徳」の実践により「道」が体得される。形意拳が「道芸」をいうのは、形意拳の「芸=套路」は「道」を表現したものであり、それを練ることで「道」への悟りが得られることをアピールしているわけである。これは太極拳でも、八卦拳でも同様に「道」の表現であり、「道」の修練を行うことを目途としている。


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