外伝10孫禄堂の「道芸」研究(48)

 外伝10孫禄堂の「道芸」研究(48)

元陽収斂(陰陽根一学)

楊家では十字手とされ最後の合太極へとつなげている。孫家では最後は無極還源へと至る。孫家では太極ではなく、無極へ還るのであるが、これは形意拳(五行)、八卦掌(八卦)を共に還源しなければならないので、最後はどうしても「無極」とする必要があったのである。孫禄堂は「元陽収斂」について「意を丹田に注ぐ(意注丹田)」の拳訣をもあげている。これは意図して下丹田に気を沈めるということである。また舌を上顎につけることへも注意を促している。これは周天の生じることを示すものである。元陽は先天の真陽であるからこれを意をして動かすことはできないのであるが、このあたりは孫禄堂も分かっており、意をして丹田に注ぐことで、元陽が気海へと入るとする。後天の意を動かすことで、先天の真陽(元陽)が動くのである。


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