外伝10孫禄堂の「道芸」研究(47)

 外伝10孫禄堂の「道芸」研究(47)

似曲非曲(双撞学)

「曲がるに似て、曲がるに非ず(似曲非曲)」は「似直非直」と共に『太極拳学』に記されている。孫家の双撞は両拳を前に出すもので、形意拳の馬形拳に似ている。馬形拳は中段であるが、双撞は上段に構える。この時、腕は伸ばしているようで伸び切ることは無く、曲げているようで肘で勁が切れることもない。こうした状態は前に出して突くこともできるし、引いて引っ掛けることも可能となる。「似曲非曲」の拳訣はどのような変化でも可能とせしめるものなのである。形意拳ではこうした変化の秘訣を知らないとこれが中国武術の中でも最上級とされる高度な武術であることの意味が分からない。拳理からいうと形意拳は相手の攻撃の勢を上下に化するが、太極拳は左右に化するということができようか。


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