外伝10孫禄堂の「道芸」研究(4)
外伝10孫禄堂の「道芸」研究(4)
易骨、易筋、洗髄の三層は本来はひとつのシステムで鍛錬することが可能はあるが、孫禄堂があえてそれを形意拳、八卦拳、太極拳をしてこれらを練ろうとしたのは、形にとらわれないことを重視したためである。もし形意拳だけをして三層を練ったならば、本来が形式を脱するための修練である三層の学習がかえって形意拳という仮の形にとらわれてしまうことになりかねない。ちなみに「易骨」とは肉体の鍛錬であり、「易筋」は感覚、そして「洗髄」は肉体と感覚の統合にある。形はあくまで易骨、易筋、洗髄を練るための方途に過ぎない。