第六章 正座と四股と馬歩(2)

 第六章 正座と四股と馬歩(2)

現在、正座を鍛錬法として最も積極的に取り入れているのは合気道であろう。合気道では「呼吸法(呼吸力養成法)」を正座で行う。合気道の中核をなす呼吸力の鍛錬方法を坐り技で行うのは、相手の「肩」に合気を掛ける練習に特化するために他ならない。これに習熟したら立ち技で「肩」から「腰」に合気を掛ける練習をする。「腰」に合気を掛けるには「肩」を通して行うのが合気道の基本である。ちなみに太極拳では「腰」に合気を掛けるが、それは「肩」を通してではない。相手の攻撃して来る勢いを利用してバランスを崩すことで腰に合気を掛けようとするのである(重心を浮かせるということ)。そのために相手に腕を強く掴ませるような鍛錬法は用いない。腕を強く掴ませるのは手首と肩を固定して「肩」への合気を掛けやすくするためである。


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