外伝9鄭曼青の学んだ「奥義」〜方拳と円拳〜(5)
外伝9鄭曼青の学んだ「奥義」〜方拳と円拳〜(5)
呉家では楊露禅と班侯から用法架(円拳)と行功(方拳)を学んでいる。露禅は故郷の武禹襄にも本来の太極拳ではなく用法架を教えていた。これは北京でも同様であった。行功が専ら内的な力を養うことを主眼としているのに対して、用法架は攻防の動きにつながる技が中心となっている。こうした露禅の教え方は秘伝を隠したとも考えられるし、武術に興味のある弟子に受け入れやすいところから教えたと解することもできよう。それはともかく「用法架」は歴代の拳士が独自に工夫できるパートであり、これを「長拳」であるとか「快拳」とすることもあるが、時代に合うものとして「用法架」は存している。呉家では快架(快拳)が用法架をベースとしている。