外伝9鄭曼青の学んだ「奥義」〜方拳と円拳〜(4)

 外伝9鄭曼青の学んだ「奥義」〜方拳と円拳〜(4)

方拳と円拳なる概念が伝えられているのは呉家太極拳である。言われているのは方拳は号令をかけて行うもので、円拳は動きを区切ることなく練るものであるとされている。ただ呉家では一般的に方拳という概念を事さらに設けなければならないほど、号令を用いていの練習が重視されているわけではない。実は方拳と円拳は歩法をいうもので、既に触れているように楊家の太極拳の老架(露禅架)は方拳で、新架(澄甫架)は円拳とする。呉家では先に北京に来た楊露禅から用法架(長拳とも称される)を学び、後には息子の班侯より本来の行功(架)の教えを得たのであった。そのため露禅から得た「円」の套路と班候から得た「方」の套路を区別する必要があったものと思われる。ただ現在の呉家太極拳はこれら二つの系統に独自の工夫を加えて編成されたものであり、既に「円」と「方」の区別をする必要は無くなっている。


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