外伝9鄭曼青の学んだ「奥義」〜方拳と円拳〜(3)
外伝9鄭曼青の学んだ「奥義」〜方拳と円拳〜(3)
楊家の老架(露禅架)では「方」の歩法を多用する。前に出る時には一旦「方」の歩法で勢いのままに真っ直ぐに足を出して、それから足先を45度内にして「円」の歩法に変化する。これが新架では初めから「円」の歩法を取っている。「方」の歩法では個々の技の勢いがそれぞれに明確であるが、「円」の歩法であれば余り明らかにはされず全てが丸い流れの中に組み込まれてしまうことになる。これは老架が比較的明勁的な動きであるのに対して、新架は暗勁に近いとすることができようか。簡易式に見られる歩法は新架には無い老架に近いものが取り入れられており、これが師の楊澄甫が鄭曼青に授けた「奥義」ではなかったかと思われるのである。