第五章 合気道奥義・山彦の道(7)

 第五章 合気道奥義・山彦の道(7)

よく「呼吸投げは知られているが、合気投げはどういったものなのか分からない」とする疑問を合気道を修する人は抱いている。「これが合気投げである」と称する技を示す人もいるが、一定したものではないようである。かつて植芝吉祥丸は「ごく少ない動きで相手を投げる」ものを合気投げとして著書で解説しているが、呼吸投げでも同様なことがあるので、その区別が明らかとはし難い。ここで述べたように合気道における「合気」は攻防を超えた宇宙の根本概念とも称すべきものであって、そうであるから合気投げというものは理論的には存しないことになる。攻防に使う「合気」の力はすべて呼吸力といわれなければならない。


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