第五章 合気道奥義・山彦の道(6)
第五章 合気道奥義・山彦の道(6)
合気道ではどうして「合気上げ」を「呼吸法」としたのか。大東流における「合気」はあくまで相手を崩す技術であって、攻防の方法をいうものであったが、合気道では攻防の力については「呼吸力」として「合気」をその上位概念と位置付けている。これは植芝盛平が「我即宇宙」を悟った神秘体験と関係していよう。この悟りの境地を「合気」として「宇宙と一体となる」ことが合気と見なされるようになったのである。そして攻防に働く力は呼吸力としたのであった。