第三章 「純粋武術」の発見(9)

 第三章 「純粋武術」の発見(9)

西欧では大学を中心とした「知の普遍化」が文化の発達に大いに寄与したとされる。そこで閉鎖的な「門派の弊害」を打ち破る方途として国術館ではいろいろな門派の教師を招き、学生にはその下でひとつの門派にこだわること無く学習することで知見を飛躍的に広げることができると考えられたのであった。ブルース・リーの截拳道などもいろいろな武術の有効な技術を習得することが重要と考えていたようである。日本でも藩校などでは一刀流の剣術と宝蔵院流の槍術そして真楊流の柔術といったように複数の流派が教えられていた。現代でもSPは柔道と剣道の有段者であることが条件とされる。先にも触れたように武術の攻撃部分だけでいえば基本的な体の使い方と運動能力があれば充分であるので、こうした学びも可能となるわけでなのである。

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