外伝7 形意、八卦、太極拳で三節を練る(13) リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 3月 22, 2021 外伝7 形意、八卦、太極拳で三節を練る(13)形意、八卦、太極の三拳を練ることは攻撃における「梢節(形意)=威力」と「中節(八卦)=変化」そして防御における軽やかな身法を「根節(太極)=軽霊」で練ることが可能となる。重要なことは形意拳や八卦掌、太極拳といったシステムにより自分を規定してしまうことではない。自分の中にある梢、中、根の三節を充分に使えるようになることにある。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ
道徳武芸研究 「合気」の実戦的展開について〜その矛盾と止揚〜(3) 11月 02, 2024 道徳武芸研究 「合気」の実戦的展開について〜その矛盾と止揚〜(3) 一般的に合気道は「剣の間合い」と教えられるが、これは四方投げなどを見ればよく分かる。四方投げは剣を構えている時に両手を抑えられた時の技で、先ずは右足を引いて身体を開き、相手の足を裏から斬る。これで腕を離してくれれば良いが、執拗に離さない時にはそのまま転身をして投げるわけである。これを単に柔術的な技として捉えると、わざわざ転身をする意味が見いだせない。通常の柔術であれば、これは「腕搦(うでから)め」とされるもので、相手の腕を折りたたんで後ろに投げれば良いだけのことである。そうであるのにあえて危険の大きい転身(同時に転身をされると技が掛からなかったり、背の高い相手に強く引かれると体勢を崩される等の危険がある)をする必要性はないわけである。つまり剣術の裏技としての柔術とは攻撃技ではなく、相手の攻撃から離脱することを第一としているのである。つまり「合気」と「攻撃」は構造的に相容れないものなのであったのである。 続きを読む
道徳武芸研究 「先天の勁」を考える〜孫禄堂の武術思想〜 3月 27, 2025 道徳武芸研究 「先天の勁」を考える〜孫禄堂の武術思想〜 孫禄堂の『八卦拳学』には第十八章で「八卦拳先天後天合一式説」があり、第二十章には「八卦拳先天後天合一図解」がある(ちなみに第十九章は「八卦先天後天合一図」で図が示されている)。二十章の「八卦拳先天後天合一図解」では「先天は後天の体であり、後天は先天の用」であるとある。そして「後天」とは八式(八母掌)であるという。つまり八母掌は「用」つまり応用であり、そのベースとなるのが先天であるとしているのである。そうであるなら「先天」とは何か、ということになるが、そこには「先天の勁」があるとしている。「勁」とは武術的な力のことである。例えば「押す」という行為で単に押すことは誰でもできるであろうが、これを武術的な行為として「突き飛ばす」ことは、その手法を学ばない限りできるものではない。「押す」という行為が、相手を「突き飛ばす」という行為になるには相手の身体の中心を捉えること、そして溜めを作って一気に力を出すことなどがなさればならない。しかし孫禄堂はこうした力を人は生まれながらに有しているというのである。そうであるから八母掌は単に身体をして「勁」を表現しているに過ぎないということになる。つまり剣術であれば「刀」は先天的に有していて、武術の練習はそのバリエーションであるに過ぎないというわけである。 孫禄堂は「先天の勁」は「無形の勁」であるともしていて、これを「無形の八卦」であるともいう。そうであるからその「八卦」に形を付与すると八母掌となることになる。そして「先天の勁」は後天にあっては「陰陽」として現れ、それは「伸縮」の運動となる。そしてそれを手足を用いた旋転の動作で示すならば八母掌となるとしている。そして修練とはこうした「先天の勁」と後天の八母掌を合一させることにあるというのである。つまり人は既に「先天の勁」として「無形の八卦」を有しているのであり、それのままに動けば八母掌となることになるのであるが、そうなると理論的には全ての武術は八卦掌から派生するという理屈になってしまう。このことは孫派の八卦掌を解説している秦浩人の『中国仙道房中術』に「八卦拳というのは、八卦の原理を利用した拳法であり、あらゆる拳法の基礎です。どの門派の拳法を練習するにしても、まず八卦拳から始めなければなりません。なぜならば、八卦拳からはじまってい... 続きを読む
道徳武芸研究 両儀之術と八卦腿〜劉雲樵の「八卦拳」理解〜(2) 12月 20, 2024 道徳武芸研究 両儀之術と八卦腿〜劉雲樵の「八卦拳」理解〜(2) 前回では劉雲樵の八卦「拳」から八卦「掌」の変更において基本の構えである「推掌」が「倚馬問路」とされたことに触れたが、ここでは両儀之術を八卦腿(四象拳)として教えていたことに関して論じてみたいと考えている。武壇の八卦掌の体系から類推すると劉雲樵が宮宝田から学んだのは円周上を歩くものとしては換掌四式、下穿掌、それに直線套路としては両儀之術、八掌拳、羅漢拳(砲捶)であったように思われる。この中で換掌四式は「小開門」となり、それが走推掌と組み合わされたのが「両儀開門掌」である。円周を反転する動きである下穿掌は八卦六十四掌に取り入れられている。また内修八掌は八卦拳の八母掌とほぼ同じ形とする人も居れば、武壇の八卦六十四掌と同じとする人も居る。つまり内修八掌と八卦六十四掌を同じとしている系統と異なるとしている系統があるわけである。八卦六十四掌は単換掌、双換掌で始まるなど全く八卦拳とは異なるもので、基本の動きは陳ハン嶺が台湾に伝えた龍形八卦掌とほぼ同じである。また八卦拳の八掌拳は「八卦硬掌」と称されている。システム上、八掌拳は八母掌と羅漢拳を融合させる役割を有しているのであるが、武壇ではそうしたものとはなっていないようで八卦腿(四象拳)から八卦硬掌、(武壇の)「八卦拳」へとつながる流れの上に位置している(武壇の「八卦拳」は八卦拳の羅漢拳とほぼ同じ動きである)。 続きを読む