外伝7 形意、八卦、太極拳で三節を練る(5)

 外伝7 形意、八卦、太極拳で三節を練る(5)

現代武道の「強さ」の秘密は競技組手を重ねることで、攻防に必要な練習として「ランニング」と「サンドバック打ち」を見出したところにあろう。これらを核として練習が組み立てられ、従来の武術のような多くの形を練ることにあまり価値を見出すことがない。「試合」となるとどうしても勝ちたくなる。そうした欲求の中で、学ぶべきとされる「使えない形」は顧みられなくなってしまう。伝統的な武術の稽古は競技試合で「勝ちたい」と思うような強い欲求がないために、使えるかどうか分からないような形でもありがたく習っておける環境がある。ただ武術の最終目的が「競技試合」にないことは知っておかなければなるまい。そうであるか「ランニング」と「サンドバック打ち」を偏重する練習をあるべきものとすることはできないことにはなる。


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