外伝7 形意、八卦、太極拳で三節を練る(2)
外伝7 形意、八卦、太極拳で三節を練る(2)
形意拳はひじょうに優れたシステムであるが、あまりに単純化されたエッセンスだけを練るやり方は長い中級レベルを脱することがなかなか難しい。初級を終える二、三年は珍しいこともあってモチベーションを保ちやすいが、ある程度の習熟を迎えて本当の味わいを知る上級に達するまでの中級の数年は単純なだけの動きでは、それを乗り切ることが難しい。そのため形意拳でもいろいろな套路が作られた。古いものには連環拳や鶏形四把などが見られ、現在では相生拳や相剋拳などいくつもの套路がある。しかし、形意拳は五行拳という「究極の形=中段の構え」をベースとする体系を構築してしまったためにそれからの変化が実に難しくなり、どうしても中段の構えから大きく違ったものにはなり得ず「多彩な套路」を体系の中に組み込むことができなった。