外伝4「起落翻攅」と形意五行拳(7)

 外伝4「起落翻攅」と形意五行拳(7)

「翻攅」は腕を捩じる動き(翻)と、穿つ動き(攅)である。これは崩拳に代表される。ちなみに崩拳には拗歩と半歩、十字がある。拗歩は右足が前なら左拳で突くもので、崩拳のベースの形である。半歩は順歩(右足が前なら右拳で突く)と拗歩を繰り返す。十字は斜めに拗歩崩拳を行うものである。「攅」では特に跟歩を用いる。跟歩の鍛錬は腰を引く動きが特徴的といえよう。腕を引く時に腰を引いて蓄勁とする。そして穿つように勢い良く突き出す(攅)のであるが、その時に力を集中させるため腕のネジリを使う(翻)。「攅」を用いての五行拳の練法においてはいずれの動作も跟歩を用いるのであるが、これは拳の動きに導かれなければならない。形意拳が梢節(体の末端)から動くとされるのはこうした身法を用いるからで、これを後足の力ですると体が後ろにぶれてしまう。

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