外伝5蟷螂拳と蟷螂捕蝉式(5)
外伝5蟷螂拳と蟷螂捕蝉式(5)
強く掴む(鷹爪手)か、緩やかに掴む(蟷螂手)かの違いはあっても、拿法は武術には欠くことのできないものであり、それぞれに工夫が凝らされて来た。現在は(競技)試合が中心であるために、掴んでの攻撃はあまりに危険であるとして禁止されているため、そもそも拿法を使うこと自体に思いが及ばないことが多いようである。ちなみに鷹爪拳の練習方法に次のような方法がある。
1、馬歩となり腰に拳を置く。
2、右を突き出し、相手の腕を掴んだ形(鷹爪手)にして腕を引く。
3、これを左右繰り返す。
一時期この練習を熱心にしていたら驚くほど簡単に相手の腕を掴むことができるようになった。これは相手に触れて掴むタイミングよりも一瞬、早く掴めるようになったことで、相手は腕を引くタイミングを得ることができなくなっためと思われる。こうした少しの違いが武術では大きな差となる。