外伝4「起落翻攅」と形意五行拳(10)

 外伝4「起落翻攅」と形意五行拳(10)

このように五行拳は五行掌として八卦掌へと展開するし、崩拳を中核として劈、讃、砲、横の諸拳へと広がり、またそれらが崩拳へと収斂することも可能となる。また「起落」の上下の動きは「打ち」の動きでもあり、これは棍術の特徴とされる。一方「翻攅」はひねりながらの「突き」の動きで、これが槍術の特徴であることはいうまでもあるまい。中国では棍術に槍の技法を加えて優れたものとし、槍術には棍の動きを取り入れることで使いやすいものとなるようにした。少林寺は棍術で有名であったが少林棍には巧みに槍の操法が組み込まれている。このように「起落」と「翻攅」を分けて練習した後はそれを組み合わせて練ることになる。劈拳であれば「起落」にネジリ(翻)と力の集中(讃)を加えるわけである。これを明確にしたのが熊鷹である。このようにして形意拳を練って行くことで単純な動きから深い術理と効力を得ることが可能となるのである。

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