外伝3新著『植芝盛平と中世神道』について(2)

 外伝3新著『植芝盛平と中世神道』について(2)

『植芝盛平と中世神道』で紹介しているのは両部神道と山王神道、それに十種の神宝である。両部神道は真言宗の系統で、山王神道は天台宗の系統に属している。また十種の神宝は両部でも山王でも触れられ、後には垂加神道などでも重視された。また今日でも「古神道」では必ずといって良いほど十種の神宝の価値が語られるが、その真義はいまだ明らかにされていないようである。十種の神宝はただ図が示されているだけであるので,そこにどのような意味があるのかが知られることが少なかった。十種の神宝はその図を適切に解くことができなければ、その蘊奥を知ることはできない。そうであるから図の正しいテキストを得る必要がある。そうした正しい図によることで、世に流布しているいろいろな「十種の神宝」の変化の意味をも知ることも可能となる。およそ「真伝」とはそうしたもので、八卦掌でも八卦拳の体系を知ることで「各派によってまちまち」とされる套路もその系統を知ることができるようになる。

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