外伝3新著『植芝盛平と中世神道』について(1)

 外伝3新著『植芝盛平と中世神道』について(1)

この度、新著の『植芝盛平と中世神道』が上梓されることとなった。同書の原稿は二年前に「中世神道の瞑想世界」(仮題)として脱稿していたのであるが、昨年の校正原稿の段階で大幅に書き直して、植芝盛平と中世神道の瞑想世界との関係を論ずるものとした。当初は今回、一般にはほとんど知られていない中世神道の「瞑想世界」を紹介し、次著で日本柔術史の最後に登場した合気道との関連を植芝盛平の霊視した世界をベースに論じようと考えていたが、「霊視」という方法に依って中世の神道者が感得したことと、植芝盛平が見たものとがひじょうに重なるので、それを先に紹介した方がかえって中世神道の「価値」も理解されるのではないかと考えたわけである。一般に中世神道は仏教などの思想的影響を受けて自己の思うがままに「妄想」を語っているに過ぎないとされるが、そこで「霊視」されていることには普遍性があり、それを知ることで心身を高度なレベルで調整することができる。そうしたことが一方に「中世神道」を置き、もう一方に「植芝盛平」を据えることで明確になるのではないかと考えたわけである。

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