第二章 感覚の伝授としての八卦拳・変架子と八卦掌(6)
第二章 感覚の伝授としての八卦拳・変架子と八卦掌(6)
「変化」は一定の動きをもって伝えることはできない。それはある種の「感覚」によらなければならない。八卦拳では「変化」は気機によると教えている。天地陰陽の気の動きの変化を感じて動くとするわけである。これは自由な動きで一定の形はない。この気機を捉える感覚を伝えるのが八卦拳における定架子、活架子の修練となる。八卦拳の気機を知る手掛かりとなるのは八卦拳の最高レベルとされる「纏綿掌」である。これも形のないもので、「纏」は螺旋の動きであり、「綿」は柔らかな動きをいう。これはまた形意拳の「滾」と同じである。形意拳において「滾」が主体となる過程で八卦掌が導入されたのであった。