第二章 感覚の伝授としての八卦拳・変架子と八卦掌(5)

 第二章 感覚の伝授としての八卦拳・変架子と八卦掌(5)

およそ中国では「変化」が重視された「易」は「変化」という意味であるし、「革命」を経て政権を得ることは天より信任を得た証とされていた。つまり「変化」をしなければ適切な状態を招くことはできないとする考えが古来から広くあったわけである。ちなみに五行説も相生、相克の「変化」の関係を説いている。八卦掌は「変化」の套路である。そうであるから一定の形を持たないことこそが八卦掌なのである。広く流布している八卦掌は大体が形意拳の系統に属している。そうであるから形意拳に母拳と砲捶の部分を負っている。形意拳の三才式と八卦拳の乾坤式は共に半身の構えで共通している。こうしたことが形意拳と八卦掌を結び付け、形意拳には明確でなかった「変化」のシステムとして八卦掌が取り入れられていくことになるのである。

このブログの人気の投稿

道徳武芸研究 「合気」の実戦的展開について〜その矛盾と止揚〜(3)

道徳武芸研究 両儀之術と八卦腿〜劉雲樵の「八卦拳」理解〜(2)

道徳武芸研究 八卦拳から合気道を考える〜単双換掌と表裏〜(4)