外伝3新著『植芝盛平と中世神道』について(4)

 外伝3新著『植芝盛平と中世神道』について(4)

両部神道のベースになったのは真言宗の瞑想法である月輪観や阿字観である。これらは基本的には同じ瞑想法で、イメージを使っている。月輪のイメージ化に習熟して来たら、その中に梵字の「ア」をイメージする。このプロセスは霊的な視覚を開いた後に霊的な「聴覚」を開くものとなる。これは求聞持法を成就した時、空海が明星を観て、谷の響きを聞いたとされるのと同じである。個人的には阿字観より月輪観の方を好むが、いろいろな密教の秘法も、呪術的な迷信ではなく心身の調整を行うための瞑想法という観点から考えればすべては阿字観に集約されるように思われる。

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