第一章 塩田剛三と金魚(10)

 第一 塩田剛三と金魚(10)

一方「宗教」的な部分については植芝盛平と大本教との関係が知られている。ただ、それは教義によるものではなく、出口王仁三郎と出会うことで、武術的な力が開いたと思える体験があったために「大本教」へと傾倒して行ったのである。実際は内的な力を開いてくれる師として王仁三郎を慕っていたということができよう。子息の吉祥丸によれば盛平は霊能者が居ればすぐに行って教えを受けていたらしい。そしてそれは家計が苦しい時も変わることがなく母親には苦労を掛けていたと語っていた。また紙を咥えてろうそくの炎を見つめるなどの行法を実践したりすることもあったらしい。盛平は神秘的な力を得ることにかなり深い関心を持っていたようである。

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