外伝2太古導引と太極拳簡易式(3)

 外伝2太古導引と太極拳簡易式(3)

鄭曼青は鳥申、熊経の導引を伝えていた。鳥伸は足を交互に前に伸ばす動きで、熊経は腕を左右に開いて腰を回す動きである。「熊経鳥伸」は『荘子』(刻意)にも出ている太古の導引である。鄭曼青は「鳥申、熊経」導引を太極拳の動きから還元することで考案した。もともと鄭曼青はラン雀尾が太古の神聖舞踏に淵源していると説いているがこれは儒教の八イツ舞がイメージされているものと思われる。八イツ舞は現在でも儒教の祭典で演じられているが確かにラン雀尾の動きに似ていなくもない。おそらく鄭曼青は太古の導引も神聖舞踏も、それを受け継ぐ八イツ舞も天地と一体となるエクササイズであり、それは太極拳と同じであるとする考えがあったのではなかろうか。『荘子』にある「熊経鳥申」も太古の導引や神聖舞踏を受け継ぐものであるなら太極拳と同じ流れにある。そうであるなら太極拳のエッセンスも太古の導引、神聖舞踏のエッセンスも同じと考えられるわけである。

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