道竅談 李涵虚(162)第十八章 再び神、気、精を論ずる

 道竅談 李涵虚(162)第十八章 再び神、気、精を論ずる

人類学の研究においても体力に勝るネアンデルタール人に比してホモサピエンスが現代まで生き残ることができたのは「群れ」を作ることができたからとされる。狩りでも「群れ」を作ることで一人では得られないような獲物を仕留めることができるようになったのである。つまり人の「性(本来の心)」とは協調や和合にこそ存しているのである。こうしたDNAの記憶とでもいうべきものを「先天」と称している。空海も一般的な倫理観が目覚めて、菩提の心が発現すると仏教の修行に入ることができると説いている。これは下徳から上徳へと至る道である。神仙道では下徳から上徳の悟りを得ると心身の変化が生じるとする。それは完全なる後天の「精、気、神」からではなく、ある程度、先天の開けた段階である「真精、真気、真神」を得ることで心身に変化を生じさせることが可能となる。

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