第九十九話 中国武術文献考(2)

 第九十九話 中国武術文献考(2)

中国人社会では「日本人の評価」はなかなか微妙なところがあって、わたしが台湾に住んでいた頃に斉眉棍を「日本人が教えを求めて来たが断った」とある師範が語っているのが新聞に出ていた。また一方では「日本でも教えたことがある」という太極拳の師範も雑誌に出ていた。「日本人」に教えないで国粋の文化を守ったこともステイタスになるし、教えたというのも「日本人」が価値を認めたということでステイタスたり得る。そこにはアジア居地域に進出する「総合商社」=「日本人」が西洋に伍する存在としてステイタスを有している反面、それがかつての戦争時代の植民地主義を連想させることへの反感もあるという複雑な立ち位置が形成されていたこが背景となっている。ほかに八極拳や意拳なども中国で評価のあまり無い状態から日本でのブームが影響して注目を集めるようになったと言えるものがある。

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