道竅談 李涵虚(172)第十九章 性命の順逆
道竅談 李涵虚(172)第十九章 性命の順逆
ここにおいて上徳の「清浄」は、順成の道を守ることになり、こうして仙胎が結ばれるのである。つまり天をして人が完全となるということである。同じく下徳の「返還」は、その逆成の道を修して聖胎を結ぶことになる。要するに人は天と完全に合一するということであり、修行者はこのことを知らなければならない。
〈補注〉
「上徳、清浄、順成」は儒教の道である。「下徳、返還、逆成」は神仙道の道である。本来であれば儒教で「聖胎」、神仙道では「仙胎」とする方が適切ではあるが、あえてこれを反対にすることで儒教と神仙道の方法が「入り口」が違っているだけで最後には天と人の合一という同じ境地に入ることを示そうとしている。