道竅談 李涵虚(170)第十九章 性命の順逆

 道竅談 李涵虚(170)第十九章 性命の順逆

天命を「性」という。「命」の中に「性」はある。これが「順」である。孟子は「形色」をして「天性」であるとした。ここにおいて「命」とは「形」のことであり、これがつまりは「性」でもあるわけである。「良知良能」はすべて「命」の働きが形として現れたものといえる。

〈補注〉

簡単にいうならば神仙道で「性」は精神、「命」は肉体のことをいう。「命」の中に「性」があるとは物質の中に精神が含まれているということである。そうであるから儒教では日々の生活をよく観察することで「真理」を悟ることができるとする。儒教で悟られる「真理」とは人の本来有している心の働きということで、それを「性」とする。孟子のいう「形色」は容貌と顔色であるが、これはつまりは肉体のことである。それがそのままで天の「性」を有しているわけである。「良知良能」は「性」の働きで、本来人が有している能力のことである。

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