第九十七話 絶招研究・八卦掌篇(18)

 第九十七話 絶招研究・八卦掌篇(18)

最後の八仙過海は扣掌式を動きとして表現したものである。扣掌式は既に説明したように纏綿掌を最も端的に示すものである。八卦拳では単換掌式に単換掌と上式単換掌、下式単換掌がり、それに扣掌がある。つまり単換掌には四種類の側面(変化)が内包されているのである。これを龍形八卦でいえば上段よりも更に上へと変化をする上式は黄龍反身(回身掌式)への変化となり、下になる下式は上下換掌(双換掌式)となる。そして扣掌は両手の間を狭く構えるもので換掌の時には指先で突くような形になる。これは指功の鍛錬でもある。八仙過海で初めに左右の手で突くような形で直線上を歩く動作があるのはこうした扣掌式の動きが反映されているわけである。「扣」には相手を引っ掛けるという意味がある。八仙過海で円周上において両腕を合わせて丸く動かす動作を練るのは絡みつく勁の動きを養うためである。これが「纏綿」であるが、この大きな動きを小さな動きにしたのが扣掌式なのである。

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